新規開業・経営改善

会社設立の基礎知識

新会社法の施行により、従来の株式会社設立の際の規制が大幅に緩和されました。
つまり、従来と比較して株式会社が設立しやすくなりました。

項目 従来 会社法施行後
最低資本金
有限会社・・・   300万円
株式会社・・・ 1,000万円
有限会社・・・ 廃止
株式会社・・・ 1円
機関設計の規制
株式会社・・・ 取締役3名以上
監査役1名以上
取締役会の設置
株式会社・・・ 取締役1名以上
監査役・取締役会(省略可)
出資払込保管証明 必要 通帳等で証明できるようになった

会社設立費用の明細

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事業目的、商号、機関設計など 独学5時間位 初回約2時間程の無料相談で丁寧にポイントをアドバイス
株式譲渡制限の有無、資本金の額、発行可能株式数
会社設立時に発行する株式の数など
独学10時間位
税務署・県・市への届出




定款認証 公証役場の定款認証手数料
定款謄本代
52,000円 52,000円
収入印紙代 40,000円 0円
電子定款認証で
40,000円軽減
会社設立登記申請 登録免許税 150,000円~
(資本金の額の0.7%)
150,000円~
(資本金の額の0.7%)
司法書士費用 なし 90,000円程度
費用合計 242,000円~ 292,000円~

会社設立のながれ

会社設立のながれ

1.商号・目的・資本金・出資者等の決定

会社を設立するには、最低限決めなければいけないことがあります。

  1. 商号(会社名)
  2. 目的(何をする会社なのか)
  3. 資本金(出資額はいくらにするか)
  4. 出資者(誰が出資するのか)
  5. 機関設計(取締役の人数や監査役を設置するのか)

2.商号・目的の調査

会社法の施行により、従来の類似商号制度は廃止されましたが、不正の目的で他の会社と誤認するおそれのある商号の使用は禁止されております。
したがって、登記上の規制はなくなりましたが、商標権や不正競争防止法に抵触する可能性がある場合には商号・目的の調査が必要になります。

3.役員の決定

役員は会社の重要事項の意思決定を行い、会社の命運を左右します。
出資者と代表者が同じな場合はほとんど問題ありませんが、出資者と役員が異なる場合は、重要な判断が必要となります。

4.定款の作成・認証

定款とは会社の組織や運営方法、資本金など会社の基本的なルールを定めた「会社の憲法」と呼ばれるとても重要なもので、株式会社を設立する場合には必ず作成します。
定款は発起人により作成され、署名、捺印をして、公証人役場の認証を受けなければなりません。定款には、絶対的記載事項、相対的記載事項、任意的記載事項の3つの記載事項があります。

絶対的記載事項 必ず定款に記載しなければならない
  • 会社の事業目的
  • 商号
  • 設立の際の出資額又は最低額
  • 本店(本社)の所在地
  • 発起人の氏名と住所
  • 発行予定の株式総数
相対的記載事項 定款に記載すると効力が生じる事項
  • 変態設立事項
  • 株式の譲渡制限に関する規定
  • 取締役の任期延長
  • 取締役、監査役の員数
任意的記載事項 記載しても法的な効力は生じないが経営上記載した方がいい事項
  • 事業年度
  • 定時株主総会の招集時期など
定款作成のポイント
定款の認証とは

定款は作成しただけでは法律的に効力を持つ書類とは認められません。従って、定款を作成した後、法的効果のある書類にするために『認証』という手続きが必要になります。
手続きは公証人役場で行いますが、どこの公証人役場でいいわけではなく、本店所在地を管轄する公証人役場で行います。

5.資本金の払込

金融機関へ資本金の払込を行います。これが、会社設立のための出資行為となります。下記手順。

6.設立登記

設立の登記申請をした日が会社成立の年月日になります。
こだわる方は、大安でされる方もいらっしゃいます。

7.会社の設立

登記の完了により登記申請日に遡って会社として成立します。登記が完了するまでの期間は、管轄や時期によって異なりますので、余裕を持って登記申請をされることをお勧めいたします。

設立時税務書類等の提出

1.税務署に提出するもの

一般的に提出するもの
提出書類 提出期限 内容説明
法人設立届出書 設立登記日以後2ヶ月以内 設立した時に提出するもの
青色申告の承認申請書 下記のいずれか早い日の前日まで
設立登記日以後3ヶ月を経過した日

or

設立登記日の属する事業年度終了の日
税務上の特典を受けるために必要
給与支払事務所等の
開設届出書
給与を支払う事務所開設の日から1ヶ月以内 該当した時に提出するもの
減価償却資産の
償却方法の届出書
設立1期目の申告書提出期限まで 未提出時は法定償却方法になる
棚卸資産の評価方法の届出書 設立1期目の申告書提出期限まで 未提出時は法定評価方法になる
源泉所得税の
納期の特例に関する申請書
特例を受けようとする月の前月末まで 従業員が10人未満なら給与等から預る源泉税は半年に一回の納付で良くなる
消費税関係(影響が大きいのでご注意ください)
提出書類 提出期限 内容説明
消費税課税事業者選択届出書 設立1期目の事業年度末まで 提出すると消費税の課税事業者になる
消費税簡易課税制度選択届出書 適用を受けようとする事業年度の初日の前日まで 消費税の税額を課税売上(収入)を
基にして計算する方法

消費税の納税義務がない免税事業者であっても課税事業者になることにより、消費税の還付を受けられるケースがあります。
ただし、平成22年4月1日以後から開始する課税期間から課税事業者となる場合は消費税法において重大な改正が入っております。
当社にご相談のうえ「消費税課税事業者選択届出書」を提出するかの判断をされることをお勧めいたします。

2.県税事務所に提出するもの

提出書類 提出期限 内容説明
法人設立・設置届出書 事業開始から15日以内 設立した時に提出するもの

3.市町村に提出するもの

提出書類 提出期限 内容説明
法人等設立(設置)届出書 事業開始から30日以内 設立した時に提出するもの

4.社会保険事務所に提出するもの

提出書類 提出期限 内容説明
健康保険・厚生年金保険
新規適用届
会社設立の日から5日以内 設立した時に提出するもの
新規適用事業所現況書
健康保険・厚生年金保険
被保険者資格取得届
健康保険被扶養者(異動)届
口座振替納付

5.労働基準監督署に提出するもの

提出書類 提出期限 内容説明
労働保険関係成立届出 保険契約が成立した日の翌日から10日以内 保険契約が成立した日とは従業員を雇用した日
労働保険概算保険料申請書

6.公共職業安定所に提出するもの

提出書類 提出期限 内容説明
雇用保険適用事業所設置届 適用事業に該当した日の翌日から10日以内 適用事業に該当した日とは労働者を雇用する事業を開始した日
雇用保険被保険者資格取得届出
雇用保険被保険者証

各種変更登記

  • 役員変更
  • 目的変更
  • 増資
  • 商号変更
  • 本店移転
  • 解散及び精算結了

役員変更

取締役・監査役などに変更があった場合、2週間以内に登記をしなければいけません。
『変更』とは、役員に辞任・解任・死亡・就任・重任などがあった場合です。

必要書類
『辞任・解任・死亡の場合』
  • 退任を証する書面
    (辞任届・解任の株主総会議事録・死亡届又は戸籍抄本など)
『就任・重任の場合』
  • 選任を証する株主総会議事録等
  • 就任承諾書
  • 印鑑証明書(新任の代表取締役就任の場合のみ)
登録免許税 資本金1億円以下・・・・・・10,000円
資本金1億円超  ・・・・・・30,000円
※同時に取締役会及び監査役を廃止する場合、別途30,000円が必要

目的変更

会社の『目的』は何をする会社なのかを対外的に表明するものです。
経営方針の転換や新規事業展開のため、目的を追加・変更・削除した場合、2週間以内に目的変更の登記をしなければなりません。

必要書類 目的変更(定款変更)にかかる株主総会議事録
登録免許税 30,000円

増資

資本金は、会社の規模や信用をはかるための1つの基準になるものです。
一定以上の資本金がないと取引関係に入れない、免許を取得できない業界も珍しくありません。一般的に増資の手段として、新株発行、配当可能利益・法定準備金の資本組入れ、DES(債権の株式化)があります。その中でもっとも多く用いられるのが、新株発行による増資です。
資本金を増加した場合、2週間以内に増資の変更登記をしなければいけません。

必要書類
『原則』
  • 募集株式の発行にかかる株主総会議事録
  • 募集株式の引受けの申込みを証する書面又は総数引受契約書
  • 払込があったことを証する書面
  • 資本金の額の計上に関する書面
『定款に別段の定めがある場合』
  • 別途
登録免許税
(最低30,000円)

商号変更

商号を変更した場合、2週間以内に商号変更の登記をしなければいけません。

必要書類 商号変更(定款変更)にかかる株主総会議事録
登録免許税 30,000円

本店移転

本店を移転した場合、2週間以内に本店移転の登記をしなければいけません。

イ.同一管内への移転
例えば、今の事務所が仙台市にあって、移転先も仙台市にある場合です。

必要書類 本店移転にかかる取締役会議事録
登録免許税 30,000円

ロ.他管轄への移転
例えば、仙台市にある事務所を大崎市に移転するなど、他の管轄に本店所在地を移す場合です。

必要書類
  • 本店所在地の変更(定款変更)にかかる株主総会議事録
  • 本店移転にかかる取締役会議事録
登録免許税
旧本店所在地分・・・・・・ 30,000円
新本店所在地分・・・・・・ 30,000円

合 計 60,000円

解散及び清算結了

会社が解散した場合、解散事由の発生した時から2週間以内に解散及び清算人就任の登記をしなければなりません。

必要書類
『特別決議による解散』
  • 定款
  • 解散決議にかかる株主総会議事録
  • 代表清算人の互選を証する書面
  • 就任承諾書
『清算結了』
  • 清算結了の承認にかかる株主総会議事録
  • 決算報告書
登録免許税 解散分  ・・・・・・30,000円
清算人分・・・・・・ 9,000円
清算結了・・・・・・ 2,000円

組織再編

中小企業の組織再編を支援します!

(1)買収に必要な企業価値の算定・(2)会計上の問題・(3)税務上の問題・(4)登記上の問題(提携司法書士)について、複数の税理士の目から精査し支援を致します。

  • 株式譲渡
  • 第三者割当増資
  • 合併
  • 株式交換・株式移転
  • 会社分割

株式譲渡

既存株主から株式の譲渡を受けることにより持ち株比率を上げ、支配権を得る手法です。株式公開買付(TOB)もこの中に含まれます。
ただし、1株当たりの譲渡金額については税務上注意が必要です。
登記は必要ありません。

第三者割当増資

新たに株式の発行を受けて、持ち株比率を上げて支配権を得る手法です。M&Aの手法として多く用いられている手続きではあります。
ただし、増資をする1株当たりの金額については税務上注意が必要です。
登記は必要です。

合併

複数の会社を1つの会社に統合させ、支配権を取得する手法です。合併には、売却企業の権利義務をすべて買収企業に承継させる「吸収合併」と、売却企業と買収企業の両方が消滅し、合併により新会社を設立し、双方の権利義務を承継させる「新設合併」があります。
一般的に競争力強化や事業及びその免許取得等の目的のために用いられます。
登記は必要です。

株式交換・株式移転

株式交換とは、複数の会社間で株式を交換し完全親子会社関係を構築させることで、支配権を得る手法です。企業グループを形成するための有効手段として用いられます。また、一定要件を満たす場合には税制上の優遇もあります。
株式移転とは、1つ又は2つ以上の株式会社が全株式を新設会社に発行し、完全親子会社関係を構築させる手法です。純粋持株会社(ホールディングスカンパニー)への移行の際に用いられます。
登記は必要です。

会社分割

会社の事業の全部又は一部を、既存株主や新設会社に包括的に承継させ、1つの会社を2つ以上に分ける手法です。
承継会社が既存株主の場合を「吸収分割」、新設会社の場合を「新設分割」と言います。グループ内の組織再編や採算部門・不採算部門の切り離し、社内ベンチャーのためなどに用いられます。また、M&Aの観点からは資金力の乏しい中小企業等が吸収分割の手法により、大企業の一事業部門を買収する時などに有効な手法です。
登記は必要です。