新規開業・経営改善

リスクマネジメントとは経営資源の保全です

~リスクマネジメントの目的~

企業を経営する上で発生するであろうリスクを把握し、
リスクを移転・回避・保有・低減を図ること

 

目的

企業経営をするうえで発生するリスクを把握して事態の発生を未然に防ぎ、
万一発生した際はその被害の極小化に努めて速やかに復旧を図ることにより、
関係者の安全確保と自らの経営資源の保全をはかることが目的です。

 

種類

ここでは中小企業で発生する可能性のある5つのリスクに関して説明します。

リスク

人的損失

経営者・従業員の死傷によるリスクのことです。
中小企業では経営者個人の力量に依存しているケースがほとんどであると思います。
つまり、経営者に万一のことがあった場合には、その会社は存続の危機にさらされてしまうのです。

コンプライアンス

法令・企業倫理違反によるリスクのことです。
コンプライアンスとは直訳すると『法令遵守』ですが、法を遵守するのは勿論のこと、社内規定・マニュアル・企業倫理を遵守することで、企業ブランド価値の向上・徹底を図ることができるのです。

災害・事故

災害や事故が発生した時に経営上発生するリスクのことです。
一度発生すると金額が大きいものになりますので、対処できるほどの内部留保がないのであれば、それらを対象にした損害保険に加入することはリスクの移転になり有効です。

製造物責任等

製造物の欠陥により損害が生じた場合に発生するリスクのことです。
製造物責任法により製造業者が損害賠償金を支払わなければならない。
それらを対象にした損害保険に加入することはリスクの移転になり有効です。

取引先倒産

取引先が倒産し売掛金が回収できないようなリスクのことです。
帝国データバンク等を利用し取引先の与信を行ったり、取引信用保険に加入したり、経営セーフティ共済に加入することにより、万一の際に資金繰りがショートしないように管理する必要があります。

対策

発生頻度や影響を考慮し、リスクを「移転・回避・保有・低減」のうち、どの対策を行うかを判断します。

リスク対策

リスク分析・評価

リスクマトリクス図

どのようなリスクがありそのリスクの度合いがどの程度影響があるのかリスクマトリクス図を用いて4つに分類します。

リスク判定の手順は

 

対策の選択

リスクマトリクス図でリスクがどの区分になるか分析を行ったら次は対策の選択です。
移転・回避・保有・低減とは?

リスク移転

特定のリスクに関する損失の負担を他社と分担すること
(例)事故や災害・代表者の死亡のリスクが発生した時を考えて保険に加入する。

リスク回避

リスクのある状況に巻き込まれないようにする意思決定
または、リスクのある状況から撤退する行動
(例)大口取引企業の債務不履行リスクが高まったため、取引を停止する。

リスク保有

何も対策をせずリスクが発生した場合は自身の資金範囲で対応すること。
(例)かなり古い自動車に破損や盗難保険をかけず、自身の資金範囲で対応をする。

リスク低減

特定のリスクに関する発生頻度、または発生時の影響を低減すること。
(例)建物の耐震耐火工事の実施、防災訓練など。

保険を活用した「移転」について

「移転」が企業がとるリスク対策で主だということは範囲が広いことからもわかります。
「人的損失」・「災害・事故」・「製造物責任等」の保険による移転対策は、次の図に分類できます。

企業リスク

詳細な人的損失リスク

中小企業で金融機関から借入をする場合、代表者が連帯保証人になるケースが多いと思います。
このようなケースで多額の借入金を残したまま代表者が死亡してしまい、資金ショートした場合は代表者の相続人へ金融機関から請求が来てしまいます。代表者が個人で財産を所有していなければ相続を放棄すればいいのですが、自宅は相続人に残したい方も多いのではないでしょうか?
そのような時は、借入金を返済できるだけの死亡保険に会社で加入することでリスクを回避できます。

詳細な人的損失リスク

リスクの算定

経営者に不測の事態が発生した場合にカバーすべき経済的損失を必要保障額といい、
「経営資金」と「生活資金」から構成されます。

経営資金

生活資金

必要資金