節税対策

個人の節税対策

 

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期中の節税対策

小規模企業共済制度への加入

小規模企業共済制度とは、個人事業者や会社役員の方の退職金として備える制度です。掛金は毎月千円~7万円。掛金については、税法上全額が個人の所得から控除することができ、月額7万円だとすると年間で84万円の所得控除を受けることができます。

ポイント

  • 共済金の受取事由により、受け取れる金額が変わります。
    • (1)共済金A及びB
      掛金+割増分
    • (2)準共済金
      掛金分のみ(18年7ヶ月以降は割増あり)
    • (3)解約手当金
      掛金×80%~120%(掛金納付月数により変動)
  • 受け取る方の年齢や掛金納付月数により、税制上の取り扱いが変わります。
    主な取り扱いは以下の通りです。
    • (1)退職所得となるもの
      共済金A、共済金B、準共済金を解約し、その解約金を一括で受け取ったとき等
    • (2)雑所得となるもの
      300万円以上の共済金(A、B、準)を60歳以上で解約し、その解約金を分割で受け取ったとき等
    • (3)一時所得となるもの
      65歳未満で任意解約をし、解約手当金を受け取ったとき
    • (4)みなし相続財産
      契約者が亡くなったために遺族が共済金を受け取ったとき
  • 受け取り時期により、受取額が掛金を下回ってしまう場合もあります。
    • (1)共済金(A、B、準)の場合
      掛金納付月数が5年以下のとき(A.Bは6ヶ月未満、準は12ヶ月未満の時は掛け捨て)
    • (2)解約手当金
      掛金納付月数が240ヶ月(20年)未満のとき

注意点

加入できない方は以下の通りです。

  • 会社などの役員とみなされる方(相談役、顧問その他実質的な経営者)であっても、商業登記簿謄本に役員登記されていない場合
  • 医療法人の理事、監事
  • 配偶者などの事業専従者(ただし、共同経営者の要件を満たしていれば共同経営者として加入できます。)
  • 給与所得者が、副業的にアパート・マンションなどを経営している場合
  • 生命保険外務員など

中小企業倒産防止共済

中小企業倒産防止共済とは、万が一取引先が倒産などした場合に、連鎖倒産をおこさない為に貸付を受けることができるもので、加入することで掛け金の全額を経費とすることができます。
1年以上経営をしている事業主の方なら加入できます。
月々の掛け金は5千円から20万円、掛け金累計上限は800万円です。
この制度は、掛け金は100%損金算入でき、40か月以上の加入で解約時の返戻率100%という点に特徴があります。積み立てて役員や従業員の退職金とすることもできますし節税の面でも役に立つ制度です。

ポイント

  • 貸し付けは、掛け金の合計額の10倍の範囲で受けることができる(最大8000万円)。
  • 貸し付けは、無担保、無保証人で受けられる
  • 加入後、掛け金については増減調整ができる(減額する場合は一定の要件あり)。
  • 貸付利子は無利子だが、貸し付けを受けた金額の10分の1の額が掛け金残高から差し引かれる。

注意点

加入できない方は以下の通りです。

  • 住所または主たる事業の変更を繰り返し行ったため、継続的な取引の状況の把握が困難な方
  • 事業に係る経理内容が不明の方
  • すでに貸付を受けた共済金または一時貸付金の償還を怠っている方
  • 中小機構から返還請求を受けた共済金、一時貸付金、早期償還手当金、解約手当金の返還を怠っている方
  • 納付すべき所得税または法人税を滞納している方
  • 12ヶ月分以上掛金の納付を怠ったため、または偽りその他不正の行為等のため、中小機構によって共済契約を解除され、解除された日から1年を経過していない方
  • 偽りその他不正行為により共済金もしくは一時貸付金の貸付け、または早期償還手当金もしくは解約手当金の支給を受け、または受けようとした日から1年を経過していない方
  • 現に共済契約者となっている方(重複加入はできません)

中古資産の購入

中古の資産を格安で購入できる場合や中古で十分な場合は、安く購入できるばかりではなく、新品のものよりも使用期間が短いため、通常よりも短い耐用年数によって計算することができ、1年間で計上できる償却費が大きくなります。
例えば、節税目的で300万円の固定資産を購入した場合、その全額が経費として計上できる訳ではありません。固定資産は、決められた耐用年数によって計算された減価償却費が費用として計上されるためです。したがって、固定資産を購入して節税をしたいと考えている経営者の方は、新品ではなく中古の資産を購入することも有効です。

ポイント

中古資産を購入した場合の耐用年数の計算方法は以下の通りです。

  • 耐用年数の全部を経過した中古資産
    法定耐用年数×20%
  • 耐用年数の一部を経過した中古資産
    (法定耐用年数-経過年数)+(経過年数×20%)
    ※1年未満の端数は切り捨て、算定年数結果が2年未満の場合は2年

注意点

中古資産に限らず、固定資産の減価償却費は、期の途中に取得した場合は月数按分となります。決算間近に購入しても全額経費とはなりませんので注意しましょう。
中古資産の購入と修理を同時に行った場合は、上記とは別に細かい計算が必要になります。

少額の減価償却資産

減価償却資産を購入した場合は、以下の特例があります。

ポイント

上記3.の場合には償却資産税が課税されてしまいますが、1.と2.の場合には償却資産税は課税されないので、節税にはとても有効な方法です。法人税と償却資産税の負担を検討して決めましょう。

注意点

10万円未満のものに該当するかどうかの判定については、通常一単位として取引・使用されるその「単位ごと」に判断されるため注意が必要です。
例えば、一台9万円のパソコンを10台購入した場合は1台ごとの9万円で判断できますが、応接セット20万円を購入した場合は椅子がひとつ5万円だとしても、それを10万円未満のものとして判定することはできません。

修繕費と資本的支出

固定資産の管理、改良等のために支出した金額のうち、その固定資産の維持管理や原状回復のために要したと認められる部分の金額は、修繕費として支出した年度に経費にすることができます。
ただし、その修理等が固定資産の使用可能期間を延長させ、または価値を増加させるものである場合は、その延長及び増加させる部分に対応する金額は、修繕費とはならず、資本的支出として、資産に計上しなければなりません。
修繕費として損金経理のできる支出を資本的支出として資産計上してしまったということがないように、区分する際は要件をきちんと確認しましょう。

ポイント

修繕費か資本的支出かの判定は、その実質によって判定します。

  • 資本的支出となる支出(具体例)
    • (1)建物の避難階段の取付など、物理的に付け加えた部分の金額
    • (2)用途変更のための模様替えなど、改造や改装に直接要した金額
    • (3)機械の部分品を特に品質や性能の高いものに取替えた場合で、その取替えの金額のうち通常の取替えの金額を超える部分の金額
  • 修繕費となる支出
    • (1)ひとつの修理や改良などの金額が20万円未満の場合
    • (2)おおむね3年以内の期間を周期として行われる修理、改良などである場合
  • 資本的支出か修繕費か明らかでない支出
    • (1)その支出した金額が60万円未満のとき又はその支出した金額がその固定資産の前事業年度終了の時における取得価額のおおむね10%相当額以下である時は修繕費とすることができる。
    • (2)継続してその支出した金額の30%相当額とその固定資産の前事業年度終了の時における取得価額の10%相当額とのいずれか少ない金額を修繕費とし、残額を資本的支出としているときは、その処理が認められる。

注意点

修繕費に該当するか、資本的支出に該当するかの判断はとても難しく煩雑なため、税務調査でもよく聞かれるところです。修繕の内容等聞かれた際に具体的に説明できるように、現場の確認や写真を残しておくなど対策も必要です。

支出の判定

修繕費と資本的支出

自宅兼事務所の経費処理

事業を事務所ではなく自宅で行っている場合、この事務所部分の家賃を経費として計上することができます。

ポイント

経費に計上できる金額は以下の通りです。

  • 賃貸の場合
    事務所部分の床面積に対応する家賃
  • 持家の場合
    その減価償却費、固定資産税、住宅ローンの利息の一部

注意点

持家の場合には以下のことに注意が必要です。

  • 賃貸のように月○万円を家賃として経費に計上することは認められない
  • 住宅ローン控除
    • (1)居住用部分が50%未満となる場合には、住宅ローン控除の適用は受けられない
    • (2)住宅ローン控除は、居住用部分のみが対象となる
      (事業共用割合が10%未満であれば、すべてを居住用として使用しているものとして取り扱うことができる特例あり)
    • (3)所有者は確定申告が必要になる。

日当の支払

出張に行った場合、実費で精算するのではなく、日当という形で概算額を支給することよって、その支給額を経費とすることができます。なお、日当は、事業主側では消費税が課税となり、支給された側では所得税が非課税となりますので有利です。

ポイント

日当を支給して、経費とするためには以下のことが必要です。

  • 旅費規程を作成する。
  • 旅費の精算表を作成し保管する。
    (出張者の氏名、日付、行き先及び交通費、宿泊料、日当の金額等を記載)

注意点

日当の金額について決まりはありませんが、支給額が不相当に高額である場合は、損金算入が否認されてしまう可能性もありますので、きちんと規定を設けるようにしましょう。
事業主に対しては、日当の支払という概念はありません。

社宅の貸付

社宅の貸付とは、事業主が大家さんからマンションやアパート、一戸建てを借りてそれを社員の自宅として貸し付けたり、事業主所有の住居を貸し付けることです。これを行うことによって、大家さんへ支払う賃料や、事業主所有住居の減価償却費・固定資産税などを経費とすることができます。

ポイント

社宅家賃の計算方法
(次の1.~3.の合計額)×50%以上 ※所有・賃貸を問わない

  • (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
  • 12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/3.3平方メートル)
  • (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%

注意点

上記要件に満たない金額での貸付けや、賃料の全額を事業主負担とすると、社員に経済的利益の供与があったものとして給与課税されてしまいます。

通勤手当

従業員に給料を支払う際に、給料の中に通勤手当を含んで支給しているということはありませんか。その給料の内訳に「通勤手当」という項目を設定することにより、支給総額は変わらなくてもいくつかのメリットが生じます。

ポイント

メリットは以下の通りです。

  • 雇用主側としては、消費税を原則で計算している場合、通勤費部分は旅費交通費として消費税の計算上有利
  • 従業員側としては、通勤手当は所得税の計算上、一定額までは非課税とされる為有利

注意点

通勤手当を支給した場合、全額が非課税となるわけでありません。距離によって非課税の限度額が決まっていて、それを超える金額は課税されてしまいますので気を付けましょう。

中小企業退職金共済制度への加入

従業員の退職金の積立として、中小企業退職金共済制度に加入します。掛け金は全額経費となり、節税することができます。

ポイント

  • 事業主以外の従業員全員を加入させなければならない
  • 小規模企業共済とは違って、掛けている期間に減額できない
  • 従業員が退職した場合の解約返戻金は、事業主ではなく直接従業員に全額が振り込まれる。
    (事業主から直接支給したい場合はがん保険による積立が有効です)

注意点

加入できない方は以下の通りです。

  • 事業主及び小規模企業共済に加入している方
  • 法人企業の役員(ただし、従業員として賃金を受けている兼務役員は加入できる)
  • 特定業種退職金共済制度(建設業・清酒製造業・林業退職金共済)に加入している方

慶弔見舞金

業員への福利厚生費として、従業員の入院や結婚などの際に支払う慶弔見舞金も経費とすることができます。

ポイント

経費として認められる為には、社内規定に基づいて支給されていることが必要です。

注意点

慶弔見舞金の注意点としては、事業主への支給を行う場合です。
もちろん社内規定に基づいていれば良いのですが、その規定の内容が明らかに高額である場合は、事業主への臨時報酬としてみなされる可能性もあります。それを防ぐためには、支給額が客観的にみて妥当な金額であることと、従業員に対する支給額と比べてバランスがとれていることが必要です。これに注意して、しっかりと社内規定を作りましょう。

社員旅行

社員旅行は、従業員の福利厚生効果もあり、一定の要件を満たせばその全額を経費とすることができます。

ポイント

要件は以下の通りです。

  • 旅行に要する期間が4泊5日以内であること。
    (海外の場合は現地での滞在が4泊5日以内)
  • 旅行に参加する従業員の数が、全従業員数の50%以上であること。
  • 会社で負担する旅行費用は、社会通念上一般的な金額とされる、一人あたり概ね10万円以内であること。

注意点

旅行に参加しない従業員に対して、旅費相当額等の金銭を支払った場合には、その全額が給与として課税されてしまいます。

専従者給与

専従者給与とは、個人事業主の方が事業を手伝う同一生計の親族(専従者)に対して、給料を支払うことをいいます。支払った給料は経費に算入することができますが、適用を受けるには「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出する必要があります。

ポイント

専従者給与として認められる為の要件は以下の通りです。

  • 次の要件のいずれにも該当する、青色事業専従者に支払われた給与であること
    • (1)青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること
    • (2)その年の12月31日現在で15歳以上であること
    • (3)その年を通じて6月を超える期間(一定の場合には事業に従事することできる期間の2分の1を超える期間)、その青色申告者の営む事業にもっぱら従事していること
  • 「青色事業専従者給与に関する届出書」を所轄の税務署長に提出していること
  • 届出書に記載されている方法、金額の範囲内で支払われたものであること
  • 青色事業専従者給与は、労務の対価として相当であると認められる金額であること

注意点

上記2.の届出期限は、青色事業専従者給与を支払う年の3月15日
※その年の1月16日以降、新たに事業を開始した場合や新たに専従者がいることとなった場合には、その開始した日や専従者がいることとなった日から2か月以内まで。