節税対策

法人の節税対策

 

節税対策

設立時の対策 期中の対策 決算時の対策

決算時の節税対策

決算賞与

会社の業績が良かった場合には、決算賞与を支給することを決めて、従業員へ利益を還元し、支給額を経費とすることができます。
賞与は、原則としては支給した年度に経費処理しなければなりませんが、例外として、一定の要件を満たせば未払計上が認められています。

ポイント

要件は以下の通りです。

  • 決算日までに決算賞与の支給額を各人別に受給者全員に通知していること
  • 決算日後1か月以内に受給者全員に支払っていること
  • 通知をした事業年度に未払計上していること

注意点

通知を行う際は、通知書を作成し、従業員に氏名と日付を記入してもらうようにしましょう。後日証明できるように、保管しておくことが大切です。
また、支給日に在職する従業員にのみ支給することは、要件2.を満たしていないことになり、支給額の全額が認められなくなります。

貸倒引当金

貸倒引当金とは、期末時点で会社が保有している債権について、将来の回収不能に備えてその見積額を経費とすることができます。資金の流出無しに計上できる科目ですので、健全な会社経営を行う上ではもちろんのこと、節税対策上も忘れずに計上するようにしましょう。

ポイント

貸倒引当金の計上基準には、個別評価と一括評価の2つがあります。

  • 個別評価による計上ができる場合(対象債権の50%を費用処理できる)
    • (1)不渡りを出した場合、会社更生法などの申し立てを行った場合
    • (2)債務超過の状態が相当期間継続し、事業好転の見込みがない場合
  • 一括評価による計上
    個別評価の対象とした金銭債権以外の債権については、一括で引当金を計算し費用処理できます。大法人と中小企業の場合とでは計算方法は異なり、中小企業の場合には法定繰入率による計算が認められています。

注意点

対象とならない債権は以下の通りです。
保証金、敷金、預け金、手付金、前渡金、仮払金、立替金、預金、公社債の未収利子、未収配当等

貸倒損失

金銭債権が貸倒となった場合には、貸倒損失として経費とすることができます。
ただし、貸倒損失を計上できる要件は非常に厳しく、税務調査の際には細かくチェックされます。
要件を満たしているか、よく検討してから計上するようにしましょう。

ポイント

貸倒損失の要件は以下の通りです。

  • 会社更生法などにより債権が切り捨てられた場合
  • 書面で債権放棄をした場合
  • 資産状況、支払能力等からその全額が回収できない事が明らかになった場合
  • 継続的な取引停止の後、1年以上を経過した場合
  • 回収できない債権金額よりも、取り立て費用の方が多くかかる場合

注意点

貸倒損失は全額を経費処理していることが必要ですが、上記1の場合には損金処理をしていなくても申告調整により全額を損金に算入することができます。4,5の場合には備忘価額として1円を残した金額を経費処理していることが要件です。また、担保物がある場合には、その担保物を処分してからでないと経費処理できません。
損失を計上できるのは上記要件の事実が明らかになった事業年度のみで、その時期を逃すと経費計上が認められませんので、毎年よく確認するようにしましょう。

在庫の管理

在庫は、期末棚卸として売上原価から控除されて経費計上額が少なくなってしまい、結果的には利益が増加するので税負担額も増えてしまいます。そうならない為には、実地棚卸によって実際の在庫を把握し、処分できるものはできるだけ処分していくことが大切です。在庫管理の徹底が節税につながります。

ポイント

在庫処分の方法としては、(1)見切り品として処分する、(2)廃棄処分するなどの方法があります。

注意点

廃棄処分をする場合には、税務調査で問題にならないように、写真や処分した日付を記載しておくなど書類を残しておくようにしましょう。

除却損の計上

固定資産を除却や廃棄した場合には、帳簿価額を除却損、廃棄損として経費とすることができます。また、まだ存在している資産でも、一定の要件を満たしているものは有姿除却をすることができます。

ポイント

有姿除却の要件は以下の通りです。

  • 現在使用しておらず、今後事業に使う可能性がないと認められるもの
  • 特定の製品生産のための金型で、その製造を中止したため将来も使用する見込みがないこと
    ※経費に計上できる金額は、帳簿残高から処分見込み額を差し引いた残額となります。

注意点

毎決算時に、忘れずに除却や廃棄について固定資産台帳等をよく確認するようにしましょう。
なお、有姿除却を行う際は、客観的に判断することが困難な為、その資産を有姿除却するに至った経緯・理由を具体的に記載した稟議書・役員会の議事録、その資産の運用担当者の配置転換等があった事実がわかるものを残しておきましょう。

未払費用の計上

費用のうち、決算までに債務が確定している分については、未払費用として経費とすることができます。
例えば、給料の締日が20日の会社の場合、締日後の21日~末日までの給料分を未払費用として計上することができます。同じように、公共料金の末締め、翌月払いになっているもの等、既に役務(サービス)の提供が行われたものは未払費用として計上し、節税を行いましょう。

ポイント

債務が確定しているとは、次のような場合をいいます。

  • その費用について法律上支払う契約があり期末までに支払義務が確定していること
  • 期末までにその債務に基づいて具体的な給付原因となる事実が発生していること
  • 合理的に金額の見積もりができること

注意点

役員は委任契約にて会社の業務の執行を包括的に委任されていることから、本来日割計算という概念がない為、役員報酬は従業員の給料のように日割で未払計上することはできません。

税額控除

中小企業等投資促進税制

青色申告である中小企業者などが機械等を取得した場合に、特別償却又は税額控除をすることができます。

教育訓練費の税額控除

青色申告である中小企業者などにおいて、労務費の額のうちに教育訓練費の額の占める割合が0.15%以上である場合に、その教育訓練費の額の一定の税額控除をすることができます。

情報基盤強化設備等を取得した場合の税額控除

青色申告である中小企業者が、新品の情報基盤強化設備等を取得した場合に、特別償却又は税額控除をすることができます。

平成21年及び平成22年に取得した長期所有土地等の1,000万円特別控除

法人が、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの期間内に取得した土地等で、取得をした日の翌日から5年を超えて譲渡をした場合に、その譲渡利益金額のうち一定の金額を控除することができます。

エネルギー環境負荷低減推進設備等の税額控除

青色申告である法人が、新品のエネルギー環境負荷低減推進設備等の取得をした場合に、特別償却又は税額控除することができます。

雇用者の数が増加した場合の税額控除

青色申告である法人が、当期末の雇用者の数が前期末の雇用者の数に比して5人以上(中小企業者等は2人以上)及び10%以上増加していることについて証明がされるなど一定の場合に、税額控除することができます。

脱税ではなく、節税を!!

節税は、法律の規定(ルール)にしたがって、税金を少なくする会計処理です。
脱税は、意図的にルールを破って、税金を逃れる会計処理です。
そして、節税は知っていればできる当然の権利(納税の義務を果たしている)であり、脱税は犯してはならない犯罪(納税の義務を果たしていない)なのです。
脱税には重い社会的制裁が加えられます。脱税ではなく、節税をしましょう。